【投稿:2021/2/28、更新:2022/1/7】
こんにちは。
PGAツアーガイドということで、この記事では世界最高峰のゴルフツアーであるPGAツアーの観戦に役立つ情報を紹介します。
松山プロがマスターズを制覇したことで、注目が高まっているのではないでしょうか。
メジャーも実質はいつものPGAツアーメンバーの争いですので、
テレビ中継のあるメジャーだけでなく、ぜひレギュラーシーズンにも注目していただきたいです。
初めての人でもPGAツアーのことを知れるような内容にしています。
ぜひ観戦する方の参考にしていただきたいですし、最高峰の舞台で戦う松山英樹プロや、これからチャレンジしていく日本人選手を一緒に応援しましょう!
PGAツアーとは
- アメリカにおいて男子プロゴルフツアーを運営する団体の名称であり、ツアートーナメントの名称
- 全米プロゴルフ協会(PGA of America)から競技部門が独立し、1975年からPGAツアーとして運営されている
- シーズンは、秋に開幕して翌年の夏の最終戦まで(例;2020-2021シーズンと呼ぶ)
- 2020-2021シーズンの例では、全51試合、賞金総額約350億円(メジャー、ツアー選手権を除く)
- 各試合、成績に応じて獲得する「フェデックスカップポイント」で年間王者を決める
- 下部ツアーとして、コーン・フェリーツアーがある
世界最高峰のレベル
PGAツアーは、世界最高峰のプロゴルフツアーとなっています。
ゴルフ観ている人からしたら当たり前と思われるかもしれませんが、世界ランキングの上位者は、ほぼ全員がPGAツアーメンバーです。
ヨーロッパを主戦場とする選手などは、PGAツアーの出場試合数が少なく、フェデックスポイントランキングが低い選手もいますが。
したがって、PGAツアーは実質世界のトップを争う舞台になっています。
注目のPGAツアーメンバー
ここでは、PGAツアー注目の選手をピックアップして紹介します!
松山英樹
※ソニーオープン・インハワイの観戦で撮影
まずは、松山英樹プロ。
PGAツアーにおける過去最高の日本人プレーヤーです。
2022年1月時点でPGAツアーで公式戦8勝、非公式戦(ヒーローワールドチャレンジ)1勝を挙げています。
何といってもアジア人で初となるマスターズ・トーナメント制覇は、素晴らしい功績です。
日本人で初めて(唯一)メジャータイトルを獲得しています。
その他の勝った試合も、WGC、メモリアルトーナメントといったツアーの中でも、格上の試合で勝利しているのもすごいところです。
また、8年連続でツアー選手権出場というのも素晴らしい記録です。
このツアー選手権というのは、シーズンのTOP30しか出られない試合なので、世界トップクラスの成績を8年間継続しているということです。
松山英樹プロのほかに8年以上を継続しているのは、ダスティン・ジョンソンとパトリック・リードの2人だけです。
詳しい選手情報は、松山英樹プロのまとめページを参照してください。
まとめページでは、毎試合終了後に獲得ポイント、賞金やラウンドのスタッツを最新情報に更新していっていますので、ぜひ最新情報を定期的にチェックしてください。
タイガー・ウッズ
タイガー・ウッズは、間違いなく世界で最も有名なゴルフプレーヤーでしょう。
すごいところ・実績を挙げればきりがないと思わせるくらいです。
主な実績を抜粋して紹介します。
PGAツアー:82勝(歴代1位タイ、サム・スニードと同じ)
メジャー:15勝(歴代2位、1位は18勝のジャック・ニクラス)
WGC:18勝(歴代1位、2位のダスティン・ジョンソンが6勝なので圧倒的)
※2021年2月末に自動車事故で大怪我を負ってしまいましたが、その後回復に向かっているようです。
ブライソン・デシャンボー
出典;GDO
もともとゴルフサイエンティストと呼ばれて、トッププレーヤーの一人でした。
科学的なアプローチからゴルフを攻略しようというプレーヤーで、アイアンのシャフトを全て同じ長さにするワンレングスアイアンを取り入れるなど、独特なプレースタイルです。
また、コロナ禍のツアー休止期間中に肉体改造を行って、かなり体を大きくしました。
その成果として、飛距離がとても伸びて、2020年のドライビングディスタンス部門ではツアートップの322.1ヤードとなっています。
これはツアー史上最高の数字でした。
打ち下ろしのホールでは400ヤード越えを何度か記録することも。。
2020年秋に開催された全米オープンでは、その飛距離を生かして難コースのウィングドフット・ゴルフクラブを攻略しました。
飛距離を稼いで、深いラフからもパワーでグリーンオンさせるという戦法が話題となり、飛距離に関する論争が巻き起こっています。
飛距離がとても注目を浴びる選手ですが、飛距離が伸びるということは、本来であれば曲がり幅が大きくなるため、単純に有利になるわけではありません。
デシャンボーの場合は、飛距離が伸びても、フェアウェイキープ率が大きく下がっていないので、非常に技術が高い選手と言えるでしょう。
アプローチやパターの技術も高く、全米オープンでも全てのスタッツが高いレベルにありました。
何かと話題の多いプレーヤーですが、PGAツアーはこういった個性の強いプレーヤーがいるおかげで、観戦の楽しみも多いです。
詳しい選手情報は、ブライソン・デシャンボーのまとめページを参照してください。
プロフィール、通算成績、獲得賞金、年間パフォーマンスや肉体改造の内容まで紹介しています。
主要大会
4大メジャー
- マスターズ(Masters Tournament)
- 全米オープン(U.S.OPEN Championship)
- 全英オープン(The OPEN)
- 全米プロゴルフ選手権(PGA Championship)
以上の4つがメジャーと呼ばれる大会です。
優勝すると、フェデックスポイント600、5年間のPGAツアーシード権を獲得できます。
世界ランキングのポイントも大きい大会となっています。
ザ・プレイヤーズ選手権
PGAツアーのフラッグシップ大会と位置づけられ、PGAツアーが主催する大会で最も大きな大会となっており、第5のメジャーとも呼ばれています。
また、PGAツアーの本拠地であるTPCソーグラスで開催されます。
優勝者には、フェデックスポイント600、5年間のPGAツアーシード権が与えられます。
現在では、メジャーよりも高額の賞金(総額1,500万ドル)が設定されており、非常に価値の高い大会となっています。
松山プロが2020年大会で初日にコースレコードとなる63をマークして単独首位となり、優勝への期待が高まったのですが、コロナで次の日から中止になるという残念なことがありました。。
WGC
WGCは、World Golf Championshipというもので、和訳すると世界ゴルフ選手権です。
メジャーにつぐ大会として設定されています。
PGAツアーにおいては、プレイヤーズ選手権のほうが格上のような扱いのようですが。。
優勝者には、フェデックスポイント550、3年間のPGAツアーシード権が与えられます。
WGCは、年4回開催されてきましたが、2020-2021シーズンは秋開催のHSBCチャンピオンズがコロナ禍で開催されませんでしたので、以下の3試合となります。
- WGC・ワークデイ選手権@ザ・コンセッション
- WGC・デルテクノロジーズ・マッチプレー
- WGC・フェデックス・セントジュード招待
招待試合
上にあげた試合に続いて、PGAツアーの中でも格上に設定されている試合があります。
賞金が高く設定されているだけでなく、優勝者にはフェデックスポイント550、3年間のPGAツアーシード権が与えられます。
- ザ・ジェネシス・インビテーショナル
- アーノルドパーマー・インビテーショナル
- ザ・メモリアルトーナメント
これらの大会はゴルフ界のレジェンドがホストを務める大会で、
それぞれ、タイガー・ウッズ、アーノルド・パーマー(現在は孫)、ジャック・ニクラスがホストを務めています。
プレーオフ
レギュラーシーズンが終わると、プレーオフの3試合でPGAツアーの年間王者を決めます。
まず、プレーオフ初戦のノーザントラストには、シーズンのフェデックスランク125位までが出場できます。
2戦目のBMW選手権には、ノーザントラスト終了時のフェデックスランク75位までが出場できます。
そして、BMW選手権終了時のフェデックスランクの上位30位が、最終戦のツアー選手権に出場します。
PGAツアーの年間王者は、最終戦のツアー選手権の優勝者です。
そのツアー選手権は、スタート時からスコアにハンデがついた状態で行われます。
ハンデは、BMW選手権終了時のフェデックスランクによって決められており、上位の選手にはスタート時のスコアからアンダーがついています。
具体的には、1位の選手が10アンダー、2位の選手は8アンダーといったように、ランク上位者がスタートから有利に設定されます。
ハンデがついた状態でスタートして、4ラウンド終了後、最もスコアの良い選手が年間王者となります!
スケジュール(2020-2021シーズンの例)
スポンサーの変更に伴って大会名が変わることがありますが、基本的には例年同じようなスケジュールです。
9~12月
2020-2021シーズンは特殊な日程になっており、前シーズンにコロナ禍で延期された全米オープンとマスターズが秋に開催されました。
これらの通常の開催月は、マスターズが4月、全米オープンが6月です。
また、CJカップやZOZOチャンピオンシップといったアジア開催の試合がアメリカ本土での開催となりました。
それぞれ通常であれば、韓国、日本での開催となります。
2020-2021シーズンは開催されませんでしたが、
12月にはヒーローワールドチャレンジというタイガーウッズ主催の少人数のトップ選手による非公式戦があります。
1~3月
毎年、1年の始まりは、ハワイからです。
2週連続のハワイが終わると、次はアメリカの西海岸に舞台を移します。
トーレパインズ、ペブルビーチ、リビエラといった名門コースで開催されます。
西海岸シリーズが終わると、次は東海岸(フロリダ)へ大移動して、WGC、アーノルドパーマー招待、プレイヤーズ選手権といったビックタイトルの試合が続きます。
4~6月
4月は何といってもマスターズ。
全てのゴルファーがまずはここにピークを合わせてくるでしょう。
そして、ここから毎月メジャーが続くことになります。
6月までに全米プロゴルフ選手権(PGA選手権)、全米オープンと開催されます。
その間でビックタイトルであるメモリアルトーナメントも開催され、ゴルフファンを飽きさせないスケジュールになっています。
7~9月
7月にはシーズン最後のメジャー、全英オープンが開催されます。
2020シーズンには、オリンピックが開催されました。
8月入ってすぐにシーズン最後のWGCが終われば、いよいよPGAツアーの年間王者を決めるプレーオフへと突入します。
どこで開催されている?
PGAツアーの開催地をマップに落とし込んでみました。
(このマップ、結構大変でした。。)
大会は、アメリカ各地で開催されています。
開催地がアメリカのかなり広域にわたっていますが、時期によって近いエリアで連続して開催されるようになっています。
また、アメリカ本土以外で開催される大会もあります。
それをマップ右下の表にまとめています。
日本でもPGAツアーが1試合開催されています。ZOZOチャンピオンシップです。
2019年から5年間の契約になっているようですが、千葉県で開催されます。
初年度はタイガーが優勝して、松山英樹プロが2位に入るという、日本ファン大喜びの大会となりました。
そして、2021年には松山プロが優勝という見事な結果を出してくれました。
PGAツアーに参戦するためには
シード権
PGAツアーのシード権は、シーズンのフェデックスポイントランキングで125位以内に入ることで獲得できます。
フェデックスポイントを稼ぐには、まずは決勝ラウンドに残らないといけません。
それを積み重ねながら上位を目指していくことになります。
下部ツアーからの参戦
下部ツアーから順当にPGAツアーに参戦するためには、下部ツアーのコーンフェリーツアーで賞金ランク上位に入る必要があります。
具体的には、上位25位に入ることで、来シーズンのPGAツアーシード権を得ることができます。
これに加えて、コーンフェリーツアーのツアーファイナルズで、あと25枠のPGAツアー出場枠を争います。
ツアーファイナルズは、コーンフェリーツアー26位~75位の選手、PGAツアー126~200位の選手が出場しますので、入れ替え戦のような闘いとなりますので、非常に過酷な争いです。
そして、コーンフェリーツアーは下部ツアーとはいえ、非常にレベルが高いことで知られています。
ここを突破するのは容易ではありません。
その他の方法
他のツアーで世界ランキングのポイントを稼いで50位以内に入ることができれば、メジャー大会やWGCなどの大きな大会への出場権を得ることができます。
それらの大きな大会優勝者は、PGAツアーの大会の出場条件になっていることが多く、その権利で出場することができます。
ただし、こういったケースは、出場した大会で成績を残す必要があるので、普通にできることではありません。
このようなやり方でツアーに参戦する選手は、既にとても実力が高く、トップクラスの実績を残している選手ということになります。
観戦方法まとめ
ゴルフ中継
公式サイトに試合ごとに中継されるネットワークが記載されています。
日本でPGAツアー中継を観る方法は以下の方法があります。
- ゴルフネットワーク
- GOLFTV
- ツイッター(PGAtour Official)
- NHKBS1
- 民放
ゴルフネットワークやGOLFTVといったゴルフ専門チャンネルが、ほとんどの試合を放送しているので、日本でも十分に観戦することができます。
NHKでの視聴も可能ですが、放送時間はわずかとなっているのが現状です。
民放は、4大メジャーのみの放送となっています。
最近はツイッターでPGAツアーの公式アカウントが、最初の何ホールかのみ無料でライブ配信しています。
こういった状況ですので、試合を予選から決勝ラウンドまで長時間視聴したいということであれば、ゴルフ専門チャンネルで視聴することを推奨します。
ちなみに私は、ゴルフネットワークで視聴しています。
公式サイトのTOUR CAST
PGAツアーはショットリンクというシステムを運用している唯一のツアーです。
基本的に全選手の全てのショットが記録されています。
(予選ラウンドを2コースで開催する場合に、予選のみしか使わない1コースが対応していないことはあります)
これを運用することで、ストローク・ゲインドというPGAツアーだけのデータを出すことができます。
これについても観戦でよく出てきますので、ご存知ない方は以下の過去記事をご一読ください。
>>【簡単!用語解説】ストローク・ゲインド(SG)とは?
これの見方ですが、公式サイトのPGATour.comの「LEADER BOARD(リーダーボード)」から、「TOUR CAST」を選択するか、見たい選手欄の右端にある「3D」選択すると、その画面に進めます。
画面上でコース上のどこにとんだか、飛距離(残り距離)、ショットの動画を見ることができます。
ゴルフ中継がされていない時間帯でもこれが随時更新されるので、ちょっとした時間差で最新の進行状況を確認することができます。
これを見ていたら、もうしっかりとしたPGAツアーファンですね!
現地観戦
現地観戦で最もハードルが低いのは、日本で開催されるZOZOチャンピオンシップです。
千葉県にあるアコーディアゴルフ 習志野カントリークラブで開催されます。
2019年に日本で初めて開催されたときは、連日すごいギャラリーでしたね。。
海外で観戦する場合は、ソニーオープン・イン・ハワイが行きやすい試合かと思います。
ホノルルの中心部ワイキキから車で20~30分程度でいける場所で開催されるため、ハワイ旅行のついでに観戦することが可能です。
私も実際に行ったことがありますので、行き方や観戦の思い出を別記事にまとめています。
そちらも参照してみてください。
テレビゲームで体験!?
ゴルフゲームといえば、みんなのゴルフが有名ですが、PGAツアーを楽しめるゲームがあります。
それは、PGAツアー2K21
というゲームで、PGAツアーが監修していることもあり、PGAツアーモードというものがあります。
しかも、実際のコースが収録されていることも大きな特徴となっています。
例えば、松山英樹プロが優勝したWMフェニックスオープン(TPCスコッツデール)やプレイヤーズ選手権(TPCソーグラス)を実際のコースでプレーすることができます。
これはPGAツアーファンからしたら非常に楽しいですよね。
今度、3月にプレイヤーズ選手権があるので、それまでにTPCソーグラスをプレーしておきます。
結構、再現度が高いので、楽しいです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
この記事では、世界最高峰のプロゴルフツアーのPGAツアーを紹介しました。
PGAツアー観戦に少しでもお役に立てたらと思っています。
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